自衛隊官舎だけではない
公務員官舎の悲惨な現状

 老朽化が深刻なのは自衛隊官舎だけではない。公務員官舎というと国会議員用の新築の官舎が話題になるが、一般の公務員官舎はほぼ自衛隊員と同様な状況だ。

 老朽化した官舎の悲惨な状況がわかるのが下の写真だ。公務員官舎キッチンの天井部分を撮影したものである。天井や壁から何かがボロボロと剥がれ落ちている。昭和の建物には耐火性や断熱性のあるアスベストが使われた。老朽化した内装のアスベストの含有量によっては深刻な健康被害が起きる場合があるため心配だ。

(写真=ダイヤモンド・オンラインより)
(写真=ダイヤモンド・オンラインより)

 ちなみに天井で突起しているのは、裸電球のソケットをつるす用途の穴だ。ソケットの型が古すぎて蛍光灯などはつけられない。

 この公務員官舎の居室には裸電球がぶら下がっていた。風呂は自衛隊官舎と同様のバランス釜で洗い場もコンクリートむきだしのままだ。洗濯機用の水道は設置されていないため、キッチンから長いホースを引いて洗濯機を使うという。

 公務員住宅も自衛隊住宅と同様に老朽化した官舎が多い。だが、この実態が問題化すると、国は公務員官舎を建て替えるのではなく廃止してしまう可能性がある。その結果、自衛隊員も公務員も入居したくとも官舎がないという事態になりかねない。

 自衛隊官舎も公務員官舎も同様に不足している。地方に自宅を建てた幹部自衛官が、「都内勤務になると家のローンとアパートの家賃で月に20万円近く支払う。さらに、引っ越し代金は支給されるものの、アパート契約のための敷金や礼金、その他手数料は自腹となる。約2年に1度転勤する幹部自衛官の中には引っ越し貧乏で借金する人も後を絶たない」と話をしてくれた。とてもこれでは自衛隊員や幹部にならないかと勧めることはできない。

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自衛隊駐屯地で使われる40年前のマットレス