
福山雅治さん主演、東野圭吾原作「ガリレオ」シリーズの映画最新作「沈黙のパレード」が公開中だ。主人公の湯川学を演じるのは9年ぶりだ。AERA 2022年9月26日号から。
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――天才物理学者・湯川学がスクリーンに帰ってきた。
福山雅治(以下、福山):率直にうれしかったですね。またガリレオ作品に参加できると聞いてわくわくしました。
前作から9年が経って、劇中の内海や草薙の立場も変化しています。でも、湯川は、「ずっと変わらない」ことを意識しました。湯川の有り様は現実と非現実の間にあります。その塩梅は立ち上がりからガリレオチームで築き上げてきました。
ドラマ化は2007年ですが、第1作の撮影に入る前に監督やプロデューサーと話し合って、湯川の“所作”から役作りをしていきました。湯川は刑事ではなく天才物理学者。事件の謎を解く決定的な証拠をつかんだとき、科学者はどう反応するのか? 天才ってどういう行動をするんだろう?と。目線の動かし方、首の振り方、立ち上がり方、歩き方まで一つひとつ所作を練り上げていきました。「実に面白い」「さっぱりわからない」というせりふや、思考を巡らせるときのフレミングポーズもその事前リハーサルのときにできたものです。
そうして練り上げられた湯川の“型”が、自分の体の中にずっと残っていたので、今回演じるうえでも迷いはありませんでした。自転車の乗り方と同じような、一度覚えたら忘れない感じ。「自分の中に湯川がいた」という感覚ですね。
■型の精度を高める
――柴咲コウ演じる内海薫、北村一輝演じる草薙俊平など、第1作目のチームが再集結するのも映画の見どころだ。
福山:この3人でもう一度作品を作ることができたのはすごくうれしかった。ガリレオはそれぞれの役割がはっきりしていて、いい意味で演じる型が決まっている。その型の精度をどれだけ高めていけるかという楽しみがありました。