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倉本:ただ、僕は「劇団仲間」っていう俳優座の衛星劇団に通ってたんで大学にはほとんど行かなかった。
大宮:大学外のプロフェッショナルなところに行かれてたんですね。
倉本:そうですね。最初、僕、四季を受けたくて受けに行ったんです。浅利慶太に、いろいろこう試験されて、その話をしたら、東大の独文の小宮曠三っていう先生と山下肇って先生に呼ばれて、「四季はヤワだから、劇団仲間に行け」って紹介されて。だから東大の4年間というのはもう、毎日そこへ通ってました。
大宮:東大に行った意味って……。
倉本:全然ないです。ただ箔(はく)をつけたかっただけ。
大宮:でも、東大の先生から才能を見抜かれて劇団を紹介された。
倉本:別にそれほどのこともないでしょうけど、大学に行ってなかったし、どこからか聞きつけて。
大宮:へー。
倉本:結局4年間、劇団の新聞やチラシとかパンフレットの編集してたんですけど、稽古場と隣接してたものですから、自分の仕事はすぐ終えて、稽古場行って、隅っこでずーっと演出を見てました。ノート取るというよりも、頭に染み込むように勉強しました。財産ですね、唯一の。
※AERA 2022年9月19日号
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