サプリはリスクを伴う
肌の状態をも左右する腸内環境を良くする要素は二つ。一つは、プロバイオティクスと呼ばれる乳酸菌などの生きた善玉菌のこと。もう一つは、その善玉菌を増やして活性化させる、プレバイオティクスだ。
「プロバイオティクスとプレバイオティクスには相加効果があると言われているので、どちらか一つではなく両方をとるのがおすすめです」
と高岡教授。
食生活が肌状態に影響することは理解できた。だが、すべてを取り入れるのはハードルが高そうだ。各栄養素に特化したサプリメントも売られているが、食べ物の代わりにはならないのだろうか。高岡教授は言う。
「一定の効果を得ることはできますが、サプリにはリスクも伴うんです」
たとえば、ビタミンAは水に溶けにくく、脂肪組織や肝臓に溜まりやすい。摂取量をきちんと計算できれば問題ないが、なるべく食べ物でとるのが望ましい。
また、スキンケア同様、すべての食べ物が万人に合うとは限らないのも難しさの一つだ。
「これを食べればめちゃくちゃ肌がきれいになると言い切れればいいのですが、そんな食材はありません。ヨーグルト一つとっても、人によって合う菌は異なるんです。3~4日続けて効果がないと思ったら、違うものを食べてみてください」(高岡教授)
自分の体に耳を傾けて、生活習慣を見直すことがきれいな肌への一歩になる。(編集部・福井しほ)
※AERA 2022年9月12日号より抜粋