ロッテの佐々木朗希は春先の勢いを取り戻せるか(5月13日のオリックス戦)
ロッテの佐々木朗希は春先の勢いを取り戻せるか(5月13日のオリックス戦)

 一方で、パ・リーグは先の読めない大混戦となった。8月終了時点で、首位の西武から、5位のロッテまで5.5ゲーム差しかない。CS争いも含めて最後の最後までもつれるだろう。これだけ優勝の可能性を残しているチームが存在すると、ヤクルトとDeNAのように、一極集中で物事を考えるわけにはいかない。ワンプレー、ワンプレーを大事にしながらも、勝ちゲーム、負けゲームのメリハリをどうつけるかも必要になる。

 その上でポイントになるのは、「勝てる試合を落とさない」ことだ。勝てる試合ということは、救援陣も勝ちゲームに、勝利の方程式と言われる投手をつぎ込むことになる。そこで負けると、ダメージは1敗分以上になってしまう。1点の重みが増すだけに、おのずと接戦も増えてくるだろう。そうなると、クロスゲームで救援陣がキッチリ仕事をしたチーム、勝てるゲームを確実に拾ったチームが上に行く。

 そして、最後の最後に負けられない決戦となった時は、絶対的エースがいるチームは強いだろう。オリックスは山本由伸という絶対的な存在がいる。ロッテは佐々木朗希が春先の勢いを取り戻せるかどうか。ロッテも優勝争いに加わるようだとさらに面白くなる。ここまで混戦になっているのだから、どこのチームもこれといった決め手はない。予測不能な優勝争いをしっかりと見届けたい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2022年9月16日号

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