立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)に誕生する「サステイナビリティ観光学部」は、名前の通り「サステイナビリティ」と「観光」をどちらも学べるのが特徴だ。二つの領域を掛け合わせた理由について、学部長の李燕教授はこう語る。
「私たちが目指しているのは『持続可能な社会』を作ることで、そのためには、経済発展や地域資源の保護いう観点が欠かせません。観光は、今や世界のGDPの10%を占める重要な産業の一つでもあり、地域資源を生かすものでもあります。両者を合体した発想で、地域の価値創造に取り組みたいと思っています」
授業は「環境学」「国際開発」「観光学」といった科目を含む九つの群からなり、個々のキャリア設計に合わせ、好きな組み合わせで履修できる。ほか、「フィールドスタディ」「インターシップ」「専門実習」の三つを用意する。
03年に早稲田大学にスポーツ科学部が、10年に立命館大学にスポーツ健康科学部が開設されるなど、近年ではスポーツを研究対象とする学部・学科も増えている。そんな中、立教大(本部・東京都豊島区)に来春設置されるのが「スポーツウエルネス学部」だ。「ウエルネス(ウェルネス)」とは、心身の健康に限らず、価値観や生きがいまで含んだ健康観を意味する言葉。「スポーツを通じたよりよい生き方の探究」を目指し、「環境・スポーツ教育領域」「ウエルネススポーツ領域」「アスリートパフォーマンス領域」という三つの領域を揃えた。
共通テスト利用入試では、「3科目型」と「6科目型」の2種類を用意。「3科目型」の必須科目は外国語、国語で、地歴公民・数学・理科から1科目を選択する形になっており、文系・理系を問わず受験ができる。開設準備室長の沼澤秀雄教授は、「スポーツはもともと学際的な領域。文系の学生であれ、データが扱えるということはこれからの時代大切ですので、『文理融合』の視点を意識的に取り入れていきたい」と話す。