心地よい夜風を感じられる季節を迎えた。食欲の秋、スポーツの秋、そして読書の秋の到来だ。そこで本誌は北海道から沖縄まで全国47都道府県にゆかりの“ご当地本”を大特集。地方出版社ならではの良書を中心に、それぞれの地元書店と大型チェーン店の“目利き”“カリスマ”書店員に1冊限定で選んでもらった。今回は関ケ原から東の27冊のうち関東地方と大型チェーン店の10冊を紹介する。
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【茨城】歩くのがついつい楽しくなるガイドブックのロングセラー
『御朱印でめぐる茨城の神社 週末開運さんぽ』(地球の歩き方編集室 学研プラス)1430円(価格はすべて税込み)
ヤマサン(北茨城市) 青天目敦社長
茨城県には「始まりの地」と称される鹿島神宮(鹿島市)をはじめ、約2500社の神社があります。この『御朱印でめぐる茨城の神社 週末開運さんぽ』では、それらの中から110社の厳選された神社が紹介されています。
最近では女性を中心に集める人が増えている御朱印。本書には御朱印の見方から正しい参拝の方法、御朱印の頂き方などがわかりやすく解説されています。
本書はきっと皆さんの普通の散歩を、すてきな“開運さんぽ”へと変えてくれるでしょう。
【栃木】豊かな自然が織りなす原風景消失した彼の地に想いを馳せる
『奥日光の栞 30年の四季景色』(小杉国夫 下野新聞社)2200円
岩下書店(足利市) 比賀啓子さん
長年にわたり栃木県の花や風景を撮り続けてきた著者の写真集です。
華厳の滝、竜頭の滝、中禅寺湖、戦場ケ原など全国でも有名な奥日光の景勝地の四季折々の風景が、とても美しく写し出されています。
30年間にわたり撮影されてきたため、温暖化や生態系の変化により今では見ることのできない貴重な風景もあります。
撮影場所も記載されており、ガイドブックとしてもおすすめです。今年の紅葉は……、来年の桜は……と季節ごとに訪れてみたくなります。日光の魅力満載です。