
チームというものは開幕してから戦う中で「今年戦える選手」を見抜き、適材適所で使っていく中で、弱点を埋め、勝ち星を重ねる中で「戦い方」や「方向性」を定めていく。そうやって整備していったチームが9月の戦いに勝ち名乗りをあげられる。そういった意味で、ヤクルト、DeNAは優勝を争う資格を得たといえよう。特に私が重視している救援投手が両軍ともに整備されている。
よく追っているチームと追われているチームのどちらが有利かと聞かれるが、当然、上にいるチームのほうが余裕がある。ある程度の負けを見込みながら、本当の勝負どころまで無理をしなくていい。逆に追う側からすれば早めに差を詰めたいところ。DeNAが逆転するためには、9月23日から25日のヤクルト3連戦(神宮)までに追いつきたい。
今年はパ・リーグも含め最後の1カ月に優勝の行方がもつれ込んだ。勝てる試合を確実に勝ったチームは最後まで残っていく。願わくば、最後の優勝争いの時だけは、コロナで離脱する選手は少なく、ベストな布陣で戦ってもらいたい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年9月9日号