安倍氏の銃撃事件で、旧統一教会問題が注目を浴びると、おびただしい数の自民党国会議員たちが、旧統一教会関係の集会に出席したり、メッセージを送ったりしている事実が露呈した。
どの国会議員もが、この教団が反社会的なカルト教団だと承知で関係を持ち続けていたのではあるまいか。選挙で投票してもらうためには、どのような反社会的教団でも崇拝してみせるといった姿勢はなかったか。
しかも、野党は早々に議員を党として調査したのに対し、当初自民党は議員に委ねていた。批判噴出に、ここへきてようやく重い腰を上げ、党として調査するようだ。さらに国会にかけずに安倍氏の国葬を決めたことも批判の的である。
そして、岸田氏が旧統一教会との関係を断ち切る決意を示す絶好の機会である新内閣組閣で、旧統一教会と関わりのある者を副大臣、政務官合わせ23人も起用した。そのために毎日新聞の世論調査では、支持率が36%に下落した。
大ピンチである。
野党は国会を開くことを強く求めている。岸田氏としては、野党に糾弾される場を開きたくないだろう。しかし、私は国会を開き、与野党でカルト教団との関係を一切持てない法律をつくるべきだ、と考えている。
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数
※週刊朝日 2022年9月9日号