藻類の培養液を乾燥させた粉末サンプル(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
藻類の培養液を乾燥させた粉末サンプル(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

「魚のDHAが話題になりますが、それらはもとは藻類が持つDHAなのです」

 栄養価も高く、種類が多いと言うことないが、果たしておいしいのだろうか。

「そこが大きな課題ですね。今はサプリメントとして藻類が利用されています。日本にはうまみ成分であるグルタミン酸のだしの文化があります。藻類はそれらを多く含むので、これからもおいしさを研究していきます」

 藻類は食だけでない大きなメリットがある。それはカーボンニュートラルへの貢献である。

「人工林では1ヘクタールあたりの年間のCO2吸収量が9トン程度であるのに対し、藻類はその4倍もしくはそれ以上にもなるのです。現在、当社の藻類を活用し、関西電力と火力発電で排出されたCO2を吸収し有用素材を生産するカーボンリサイクルという産業利用に向けた研究も行われています」

 さらに藻類は石油や天然ガスなどに取って代わるエネルギーとしての活用や藻類由来のプラスチックとしての活用の可能性があるという。

「将来は藻類が社会インフラとして当たり前の存在になれたらいいですね」

週刊朝日  2023年1月27日号

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