誰よりもファンに、この喜びを伝えたかった。ドーム公演決定の発表後、少しでも近くに行こうとするかのように、自然に肩を組み合って花道を駆け抜けたSexy
誰よりもファンに、この喜びを伝えたかった。ドーム公演決定の発表後、少しでも近くに行こうとするかのように、自然に肩を組み合って花道を駆け抜けたSexy Zoneの3人。左から、中島健人、松島聡、菊池風磨。「一生にさあ、一度しかないわけじゃん、初ドームツアーの発表って。こんな感覚なんだな!」と中島。(撮影/小黒冴夏)

 この日の、いや、これまでのSexy Zoneの歩みにおいても歴史的瞬間になったのは、10年越しの悲願だった初のドーム公演の開催を発表した一幕だろう。涙、涙の名場面は、こちらからプレイバック。

 会場の興奮冷めやらぬなか、「どうする? このぶち上がったあとさあ、普通にバラードじゃん。俺無理ゲーなんだけど。ちょっと1回ブレイクしない?」と、中島。水分補給を兼ねてドームツアー決定の祝杯をあげることになり、観客も各々持参した飲み物を手にする。湯気のたつホットレモンのボトルを手にした松島に対し「ここ広尾?」(菊池)という茶々が入りつつも、「せーの、かんぱーい!」と3人仲良く声をあわせた。

 そして、後半戦。センチメンタルな「Story」のイントロが流れはじめると、ステージは一気にしっとりムードに。サビの歌詞は、「真夏の夜のStory 奇跡を願う様に」。菊池が「新しいストーリーということで、ちょっと思い出の曲になるんじゃないですか」と語ったとおり、また一つ大きな扉を開けたメンバーたちは抑えきれずに笑顔をこぼしたり、瞳を潤ませたり、それぞれ胸に迫る思いを噛みしめていた。

 その後待ち受けていたのは、なんと、ライブ前半の“昭和アイドルコーナー”がさらにパワーアップした“昭和女性アイドルコーナー”。テレッテ、テレッテ、と「スターどっきり(秘)報告」のBGMとともにスクリーンに映し出されたのは、お笑いコンビ・シソンヌの長谷川忍がレポーターに扮して仕掛ける“寝起きドッキリ”。ホテルの一室に入ると、それぞれメンバーが女装した、勝子(佐藤)、エミリー(中島)、風子(菊池)、松美(松島)の4人が、一つのベッドで絡まりあって眠っている。特にエミリーは勝子をひしと抱きしめている。そっと布団をめくった長谷川は、「セクシーな足もあれば、男くさい足もありますねー」と実況。その後クラッカーを鳴らして「出番です!」と全員を叩き起こすと、一同は「やだぁびっくりした~」「すっぴんだからやめて!」「あーほんとに、昭和のドッキリってイヤね」などと裏声で大ブーイング。渋々起き出して部屋を退散するところで映像が終わると、ばっちり80年代女性アイドルに仕上がった3人がステージに現れた。

 衣装は全員、ひざ下ワンピース。エミリーは白黒のダイヤ柄、松美は清楚な白の無地、風子は胸元に大きなリボンをつけている。そして佐藤も、昭和風サーファーカットのカツラをかぶせられたうちわ姿でステージに連れてこられる。3人は「Lady ダイヤモンド」「Ringa Ringa Ring」を熱唱しながら、うちわの中でほほえむ佐藤にキスしたり、肩掛け式の箱型携帯電話の受話器を耳元にあてがって話しかけたり、「思いきって抱きしめる勝利のうちわ~♪」と歌詞を変えたり、やりたい放題で愛でていた。

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