驚きなのは、パナソニックを抜き去り世界最大の車載用電池メーカーとなった中国のCATLがインドネシアで最大7500億円という大規模投資を行うというニュースだ。また、やはりパナソニックを抜いて車載用電池世界二位となった韓国のLGエナジーソリューションも現代自動車と共同で工場を新設し来年にも生産を開始するという。
これは、世界の電池2強がインドネシアや近隣ASEAN諸国におけるEV市場の本格的拡大が近いと予測していることを示す。日本メーカーが手をこまぬいていれば、アジアにおける日本車の「後進的」イメージが定着し、将来のASEANのEV市場で苦戦を強いられるだろう。
折しも、英国からは、寂しいニュースが入って来た。英国に工場を持つトヨタが、2030年にハイブリッドを含むガソリン車の販売を禁止するという英国政府の政策に反対し、英国からの撤退の可能性を伝えたというのだ。欧州のEV化の流れは鮮明だ。これに逆らうトヨタはEV化での後進性をさらに強く印象付けた。
J-POPがK-POPに敗北したのと同様、EVの世界でも日本が大敗する。そんな気がしてならない。
※週刊朝日 2022年9月2日号