ピーター・タウンゼント氏(右)と谷口稜曄さん/映画「長崎の郵便配達」はシネスイッチ銀座ほか全国公開中(c)The Postman from Nagasaki Film Partners(c)坂本肖美
ピーター・タウンゼント氏(右)と谷口稜曄さん/映画「長崎の郵便配達」はシネスイッチ銀座ほか全国公開中(c)The Postman from Nagasaki Film Partners(c)坂本肖美

──この映画のどこを一番見てほしいですか。

「核兵器がいかに恐ろしいものかを理解して、二度と使用してはならないと、鑑賞された全ての方が決心してほしい。長崎では原爆投下からかなりの時間が経っているはずですが、今でも大きな傷痕が心理的なものも含めて残っていることに衝撃を受けました。父と谷口さんの遺志を継ぎ、今度は私が平和のメッセージを配達するつもりです」

「長崎には夫と2人の娘と滞在しました。川瀬監督は資料館での被爆者の映像が始まる前に『途中で退出してもいいのよ』と娘たちに声をかけてくれました。でも2人とも最後まで見ることを選びました。まだ若いので十分に理解したとは言えないかもしれませんが、種はまかれたと確信しました。当時12歳だった次女は日本の食文化が気に入って、フランスでオスシを作ってくれます。まずは、それでよいと思うのです。これから次第に学んでいくことでしょう」

◇   ◇

 ロシアによるウクライナ侵攻で、核の脅威が高まっている。プーチン大統領は、核を搭載できる弾道ミサイルの模擬発射に踏み切った。この映画は、今こそ見るべきだと確信している。(ジャーナリスト・多賀幹子)

週刊朝日  2022年8月19・26日合併号

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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