プラチナ・ジュビリーに登場したエリザベス女王(右/写真・代表撮影/ロイター/アフロ)
プラチナ・ジュビリーに登場したエリザベス女王(右/写真・代表撮影/ロイター/アフロ)

 イギリスの伝記作家、トム・バウワーさん(75)の暴露本『Revenge:Meghan,Harry,and the war between the Windsors(復讐:メーガン、ハリー、そしてウィンザー家の戦争)』の中では、新証言によるいくつもの事実が明かされた。その中でも、エリザベス女王(96)の衝撃の一言を捉えた箇所に注目が集まる。それは、夫エディンバラ公フィリップ殿下の葬儀の際に思わず出た言葉だった。

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 殿下は、2021年4月9日に99歳で、ウィンザー城で亡くなった。ロンドンの病院では、入院を続けるよう勧められたが、妻のもとに帰りたいとの意志を貫いてウィンザー城に戻った。治癒や回復からの退院ではなく、残された日々を慣れ親しんだ場所で過ごしたいとしたのだ。

 殿下の葬儀は4月17日にウィンザー城聖ジョージ教会で執り行われた。参列者はコロナ禍のためにごく少数に限られたが、棺の後ろを子どもや孫たちが歩く姿があった。米カリフォルニア州に住むヘンリー王子(37)とメーガンさん(41)の参列に注目が集まった。王子は祖父の葬儀に出席するが、メーガンさんは当時リリベットちゃんの妊娠7カ月だったので、医者から長時間のフライトを控えるようにアドバイスされたとして、参列は見送った。

 それを知った女王が、なんと、「ああよかった。メーガンは来ないのね」と側近らに漏らしたという。ほぼ1カ月前の3月7日に2人のオプラ・ウィンフリーさんのインタビュー番組が流れた。そこでメーガンさんは王室内で人種差別にあったとほのめかし、王室が守ってくれないので自死を考えたと衝撃的な暴露をした。女王はやんわり反論して諭したが、かなりのショックを受けたに違いない。

■「趣味が悪い」の声も

 思い返せば女王はいつもヘンリー王子夫妻にやさしく接した。離脱を言い出した時も、「私たちは家族ですから」と温かい言葉をかけた。しかしさすがの女王も夫の葬儀にメーガンさんが渡英して、注目を独り占めしてしまうことは絶対に避けたかったのだろう。初めて女王のメーガンさんに対するホンネが聞けたとして、早速、英国国旗の上に「Thank goodness. Meghan is not coming」と大書したTシャツが登場した。IS とNOTが強調されている。「趣味が悪い」との声も上がったが、女王の「名言」はそのままオンライン販売された。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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女王の招待も断った