
■人生はモテるために
今でこそ、モテるためのあざとさは可愛さのいちジャンルとしての地位を築いたが、当時は「モテ」を標榜するのははばかられる時代だった。そのなかで、ゆうこすは「人生はモテるためにある」ときっぱり。自分で価値観の軸を決めた。審査員から、「ネオぶりっ子になれる逸材」と評価され、準グランプリを獲得した。
「それだけでは仕事を得ていくことはできないから、YouTubeでの発信をはじめました」
すでにHIKAKINやはじめしゃちょーらが活躍し、YouTuberやインフルエンサーといった言葉も世間に浸透。子どもたちの「憧れの職業」にその名を連ねた頃だった。
ゆうこすはここでもニッチを追求する。16年10月に開設した「ゆうこすモテちゃんねる」と名づけたチャンネルには、あざとさがちりばめられている。
「当時のゆうこすのファンがどんなタイプか、けっこう設定したんです。表参道でよく買い物をしていて、好きなブランドはミュウミュウやスナイデル。ファンたちが思い描く『ゆうこすだったら、こういう発言をするよね』を考えて投稿していました」

■コピーに落とし込む
チャンネルを開設して、約5年。視聴者からの共感が高まることもあれば、思うように再生回数が伸びないこともあった。そのたび自分の感覚や時代の空気をチューニングしていると、「モテ」の定義にも変化が起きた。
「福岡の田舎出身で、女性は3歩下がるのが当たり前という世界観で育ったから、最初の頃は、女性は弱く見せることが一番賢い生き方だと思って発信していました。でも、仕事をするなかで男女含めて多くの人にモテるためには、それは違うんだと気づいたんです」
価値観が変わったいま、掲げているモテの3箇条がある。
一つは、自立していること。二つ目は、自分と相手の気持ちを大事にしていること。三つ目には、常に何かに挑戦していること。この三つを大切にすれば、自分のことも愛せる、と考えている。YouTubeには、
「最近のメイク、計算尽くし~!(ハートマーク)」「モテたい私のリアルなルームツアー(ハートマーク)
といったタイトルの動画がずらりと並び、それらに3箇条を込める。今やチャンネル登録者数は85万人を突破した。