放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は「やきとん大地」を取り上げる。
* * *
有名人御用達店として17年間、渋谷公園通りで人気を博した『やきとん大地』が、通称「青学西門通り」に移転し、再び人気店となっている。
青山学院大学の西門と、高等部の正門が面している通りには、80年代は、行列のできるトレーナー店として名をはせた『BOAT HOUSE』を筆頭に、ブティックが並んでいた印象がある。
いわゆる“学生街の喫茶店”もあるにはあったが、青学が夏休みに入ると経営が立ち行かなくなるのか、9月は新しい店に。それもまた翌夏にはつぶれてしまったものだ。
どうして、こんなに詳しいかというと、私は16年通った卒業生だから。そこを買われて、この通りに洒落た名前をつけてほしいと某誌からリクエストを受けたことがある。創立者の一人である女史の名前や、当時あったホールの名前などを提案し、採用されたが、「地中海通り」や「星条旗通り」のように定着はしなかった。
現在、青学西門通りには『やきとん大地』以外にも、沖縄料理、イタリア料理、バスク料理などの人気店が立ち並ぶ。
なかでも『やきとん大地』は、出くわしたら仰天してしまうような超有名アスリートや歌姫、アイドルらが一人とか二人でカウンターに座っていたり、個室を利用したりする。