野村優妃さん/リベラベル代表。世界中のストローをコレクションするストロー好き。2020年にストローブランドDlink Strawを立ち上げる(photo 写真部・高橋奈緒)
野村優妃さん/リベラベル代表。世界中のストローをコレクションするストロー好き。2020年にストローブランドDlink Strawを立ち上げる(photo 写真部・高橋奈緒)

 ストロー愛が高じて、2019年から“ストローマエストロ”として情報発信を始めた。翌年には「Dlink Straw(ディーリンクストロー)」というプロジェクトを立ち上げ、キャンディーストローを発売した。「ドリンクと『リンク』するストロー」の名前の通り、飴でできたストロー自体が甘い味がして、徐々に飲み物に溶けてシロップのような効果を果たす。最後にはぽりぽりとストロー自体を食べることもできる。

「プラスチックをやめて紙にすればいい、というのは本質的じゃない」と考える野村さんは、ストローにも自分らしい選択肢を持てることが重要なことだという。

「使わないのが一番エコなのは間違いないけれど、私はストローで飲むのが好きだし、同じようにストローが必要な人はいる。そういう人に自分らしい心地いい選択肢を提供したいんです」

 自分の好みに合わせて、そしてドリンクに合わせてストローを選ぶ、という文化ができればいいと考えている。2021年12月には菓子メーカー大手のカンロとの協業も発表した。

「サトウキビのストローはほのかに黒糖の香りがするので、ミルクティーに合わせるのが好きです。カンロのキャンディー『金のミルク』をストローにして、コーヒーに合わせてみたい」

 野村さんのほかにも、異素材ストローに挑戦する人たちがいる。パスタ素材でストローを作ったのは、阿部幸製菓(新潟県小千谷市)だ。

■食品ロス削減にも一役

 主力はかきのたねで、近年はパスタスナックなども開発している。パスタをストローにしたら面白いのでは。そんな遊び心から試作品を作り始めたのが開発部員の羽鳥由浩さん。入社30年超、生粋の米菓職人だ。

 ストローとしての使用に耐えうるものができるまで、1年かけて試行錯誤。「ペンネのようなギザギザを入れ、さらにかきのたねを粉状にしたものも混ぜることで強度を高めました」

 かきのたねの製造工程では、形が悪く廃棄せざるを得ないものがどうしても出てしまう。それを活用することで社内の食品ロス減にもつながるという。現在はグループ会社の飲食店のみで試験運用中だが、いずれ通販などでの販売も考えている。

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