林:獅童さんがやる寡黙な人の役って、迫力ありそうですね。楽しみです。「壽 初春大歌舞伎」もすごく楽しみ。俳句の季語にも「初芝居」というのがあるぐらいで、女の人たちは「いい着物を着て行かないと失礼になる」という感じで。
獅童:外国には、夜の9時から夫婦でタキシードとドレスでオペラに行くという風習がありますが、日本には「お正月だから着物を着て歌舞伎に行こう」みたいなのがあって、あれってすてきだなと思いますよね。
林:私もちゃんと着物を着てまいりたいと思います。
(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)
中村獅童(なかむら・しどう)/1972年、東京都生まれ。81年に歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』で初舞台、二代目中村獅童を襲名。2003年、前年に公開された映画「ピンポン」で日本アカデミー賞新人俳優賞。以降、映画、ドラマ、現代劇と幅広く活躍。22年は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演予定があるほか、「壽 初春大歌舞伎」(1月2~27日、東京・歌舞伎座)で、『一條大蔵譚』の吉岡鬼次郎を演じる。また、この公演で長男の小川陽喜が『祝春元禄花見踊』にて初お目見得。
※週刊朝日 2022年1月7・14日合併号より抜粋