シャッター速度の選択
流し撮りのシャッター速度の選択は、遅いシャッター速度になるほど電車と同調する範囲が狭まり、流し撮りの成功率が低下する。絶対モノにしたい「ここ一番」のシャッター速度は1/125~1/60秒の選択をお勧めする。
最後の写真がダイヤモンドクロッシングで有名な土佐電気鉄道(現・とさでん交通)のはりまや橋交差点で、失敗を恐れず1/4秒の遅いシャッター速度で流し撮りした一コマだ。ファインダー内で電車の前頭部を凝視しながら、腰の回転を滑らかにしてシャッターを切った。この速度になると車体への同調範囲が極端に狭くなり、辛うじて前面の連結器の辺りに同調してくれた。
真横からの流し撮りに成功したら、斜め前や俯瞰からの流し撮りにも挑戦してみよう。苦手意識のある人でも、近隣の路面電車を標的にして流し撮りの反復練習をすることが肝要だ。フィルムの時代と違って、デジタル撮影なら流し撮りの結果がすぐに判明するから、早期にコツが呑み込めるだろう。
■撮影:2012年4月7日
※AERAオンライン限定記事