がっちりと握手を交わすヤクルト山田哲人(左)と村上宗隆
がっちりと握手を交わすヤクルト山田哲人(左)と村上宗隆
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 こんなコンビは2度と現れないかもしれない。「東京」と冠されたオリンピックで共に代表チームのレギュラーとして金メダルを獲得し、“本業”では東京を本拠地とするチームの3・4番コンビでリーグ優勝、日本一に大きく貢献。1人が五輪MVPなら、もう1人はリーグMVPである。

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 ヤクルトの3番・山田哲人(29歳)と4番・村上宗隆(21歳)──。2人にとって、昨年はそんな歴史的なシーズンになった。7年契約1年目の山田は、打率.272、34本塁打、101打点、4盗塁。五輪では全試合にトップバッターとして出場し、打率.350、1本塁打、7打点で大会MVPに選ばれた。

 村上はレギュラーシーズンだけでなく、クライマックスシリーズ、日本シリーズも含め全152試合で4番に座り、打率.278、39本塁打、112打点、12盗塁の成績で、セ・リーグ史上最年少の本塁打王とMVPを獲得。8番バッターで出場した五輪でも、決勝戦で試合を決めるホームランを放ってみせた。

 この2人以前に、ヤクルトの日本人選手による「30本塁打コンビ」は1988年の池山隆寛(31本、現ヤクルト二軍監督)&広沢克己(30本)、1992年の古田敦也(30本)&池山(30本)、2019年の村上(36本)&山田(35本)と3度誕生してるが、日本人の「30本塁打&100打点コンビ」となると、昨年の村上と山田が球団史上初である。

 そんな2人のチームに対する貢献は、バットだけではなかった。それまで「僕は率先して何かをやるタイプではないですし、言い方は悪いかもしれないですけど、自分のやりたいようにやって、プレーでみんなを引っ張っていければと思います」と話していた山田は、自ら志願して昨年からキャプテンに就任。最初は「まったく想像もしていないことだったので、本当に驚きました」と語っていた高津臣吾監督も「よく声を出すようになりましたし、リーダーシップも発揮してチームを引っ張るようになりました」と評するまでになった。

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