スラックスを選んだ生徒が特に多かったのは、これからの在校期間が長い中学低学年の生徒だという。今後、スラックス率は年々高まりそうだ。
ちなみに、スラックスとベスト、夏用のジャンパースカートは家庭での洗濯が可能で、冬用の制服もウォッシャブルな生地に切り替え中という。
「制服に対する時代の要請というのは、『多様性』への対応だけではなくて、『清潔』ということも含めてですね」(齊藤校長)
今春にはスラックスをはいた生徒たちが初めて入学式を迎える。
「保護者には、ジャンパースカートとスラックス、どちらも正式な制服です、とお伝えしています」(小林教頭)
いま、社会ではトランスジェンダーが直面する壁を取り除こうとする動きが進んでいる。多感な青春時代を過ごす学校で制服の悩みが減ることも、当事者にとっては大きな福音だろう。桜蔭中学校高等学校の英断にエールを送りたい。(AERA dot.編集部・米倉昭仁)