雪見列車の旅には毎年のように出かけます。宮脇先生は「夏は暑いところに、冬は寒いところに行くべし」とお書きになっていて、その教えを割と忠実に守っているんです。なかでも好きなのは山形の米沢と新潟の坂町を結ぶ米坂線。米沢から乗ると山を越えて日本海へと向かうという、日本有数の豪雪地帯を走ります。たいてい空いているので、静寂の中で思う存分雪景色を眺めています。
鉄道のある風景を見るのも好きですね。線路があって鉄道が走っていると、単に機械が動いているというより、生き物がそこにいるかのよう。単なる移動手段にとどまらない地域の活力にもなっていると感じます。
(構成/編集部・川口穣)
※AERA 2022年8月8日号