個人記録では通算2000安打、1000打点(現在984打点)が目前に迫っている。「試合に出ることが大事」(松田)とポジションにこだわらない姿勢も見せるなどモチベーションは高い。そして“熱男”として知られるムードメーカーの役割は替えが効かない。誰もが認める人間性でチームに必要な選手なのは明らかだ。
一方の平田も「異型狭心症」という心臓の血管が極度に縮む大病を患い療養せざるを得ない状態だった。チームは20年シーズンに8年ぶりのAクラスとなり、昨年はさらに上の順位も期待されたが、平田ら主力選手の不調もあり5位でBクラスに戻ってしまった。
「(ここ数年)平田の安定感のなさが勝てない理由だとも指摘されていた。18年をピークにケガなども重なり個人成績が下がり始めていた一方で、チーム浮上の兆しも見えていた。根尾昂、石川昂弥など注目の若手たちの存在もあり、(平田は)悲壮感が漂う感じで自分を追い込んでいた。平田本人、チームの両方にとって本当に痛い離脱だった。今思えば体調の悪さを感じながらもプレーを続けていたのかもしれませんね」(中日担当記者)
18年は138試合に出場してキャリアハイの打率.329のを記録した平田。同年に外野手部門でゴールデングラブ賞を受賞し、その後もキャリアの円熟期を迎え、さらなる成長が期待されたが低迷。昨年は4月28日に出場選手登録を抹消され二軍での調整が続いていた中で7月4日に体調を崩し、異型狭心症と診断されていた。オフには1億5000万円減となる3000万円での年俸更改となり、松田と同じく大幅な減俸となってしまった。
「身体のキレのなさは感じた。心臓の病気なので一歩間違えば取り返しのつかないことになる。焦りもあっただろうが少しずつトレーニングを重ねていた姿を見てきました。どん底を知った選手は強い。今年の平田はこれまでと大きく違う姿を見せてくれると信じています」(中日関係者)