Q. 一般的に子どもが受けている予防接種のワクチンやインフルエンザワクチンと、新型コロナのワクチンでは違いはあるのでしょうか?(11歳と10歳女児の父)
それほど特別な違いはありません。ただ、インフルエンザのワクチンと比べて、新型コロナワクチンは、打った時は痛くありません。打った後、その日の夜から翌日にかけて痛みが出てきます。上手に子どもの気をそらせば、打つ時に泣くこともないと思いますが、集団接種会場で泣く子が出てくれば、恐怖心から注射をする前からアルコール綿で腕を拭いただけで「痛い」という子も出てきます。痛みは主観や他の影響によって出てくるもので、特に子どもたちは敏感です。そのため、まずは親御さんがワクチン接種について十分に納得して、子どもに不安を抱かせないように働きかけ、医療従事者と一緒になだめながら接種するものであって、無理やりにするものではないと思います。
Q.できれば小児科医のもとで接種したいのですが、地域の小規模クリニックでも可能になるシステムが十分に整うでしょうか?(9歳男児と8歳女児の母)
接種の仕方は自治体ごとに決まります。子どもの数や医療資源などによって異なってきます。最善は、かかりつけ医による個別接種ですが、小児科医が対応可能かどうかは、地域によって相当な開きが出てくると思います。5~11歳のワクチンは、違う製剤で量も異なるので、大人用と混同しないように注意する必要があります。ただでさえ、麻疹・風疹混合ワクチンなど様々なワクチンを打つ年齢でもあるので、他のものと間違えないように注意してください。誤接種を防ぐためには、他のワクチンを接種する日とは区別するなどの工夫が求められます。
さらに、5~11歳のワクチンは1バイアル(1本)で10人分です。つまり、予約を10人単位でとらないと無駄にすることになります。でも、子どもは親の都合も含めて当日キャンセルする人は少なくありません。貴重なワクチンを無駄にしないためにも、予約を上手に取っていく必要もあります。このため、どうしても個人の開業医は非常に神経を使うことになるので、対応できないところもあるでしょう。
まず、最優先は基礎疾患などのリスクがある子どもたちです。ハンガリーでは、20歳未満に約25人死亡例があり、半数以上は10代後半で、3~14歳は少なかったのですが、亡くなった全員に基礎疾患がありました。だから基礎疾患がある子どもこそ接種した方がよいのですが、体調の波があるので予定通りに接種が進まないことも考えられます。さらに、副反応が健康な人に比べて強く出る可能性があるので、そうなった時に対応できる準備を整えておく必要もあります。