Q.子どもには心筋炎などの副反応が出やすいと聞きますが、安全性は大丈夫なのでしょうか?(11歳と10歳女児の父)
アメリカでは、5~11歳に870万回接種して、11人に心筋炎が起きています。約80万分の1の確率で、12歳以上に使用するワクチン量の3分の1しか使わないこともあってか、10代後半や20代で起きた心筋炎の10分の1程度の頻度です。その11人は全例が軽症で特別な治療をせずに治っています。つまり、心筋炎の診断はついたけれども、診断しなかったとしても自然と治っているので、過度に恐れる必要はないと思います。一方で、新型コロナでも心筋炎は起こりますし、その確率の方が高いです。
Q.接種後に受診したほうがよい副反応の症状など、自宅での経過観察で大丈夫な副反応の症状の判断基準が知りたいです。(9歳女児の母)
非常に稀に心筋炎があり、自覚症状があまりない人が多いのですが、胸が痛いとか、息切れがするとかの症状があるようなら受診したほうがよいでしょう。副反応は、熱や倦怠感、痛みなどが想定されていますが、程度が軽ければ慌てることはないと思います。前述のようにワクチン量が3分の1になるため、大人の量を打った人の副反応と比べると軽いです。
もし副反応で熱が出て、子どもが眠れない、食欲がない、水分もとらない場合は、解熱剤を使ってもいいです。普段から子どもが使用している解熱鎮痛剤を用意しておくのが無難かもしれませんが、熱が出ても元気な子どもなら解熱剤はいりません。ましてや、ワクチンを打ったから熱が出る前に使っておこうというのはやめてください。ワクチンの非常に稀な副反応にアナフィラキシーという重症のアレルギー反応があり、10万分の1程度の確率で起きます。一方、解熱鎮痛剤の方が数千分の1という高い確率でアナフィラキシーを起こします。熱は、ウイルスを退治するための炎症反応が適度に起きている状態なので、本来は熱を無理やり下げない方がいいのです。しかし、安静に睡眠、水分や栄養の補給も病気からの回復に大事ですから、それができないほどの熱だったら、少しの間だけでも熱を下げて、食べたり、睡眠を取ったりすることが解熱鎮痛剤を使う目的だというように考えてください。
Q.ワクチンの成分が生殖器に蓄積されるのは本当ですか?(6歳女児の母)
全くのデマで、事実ではありません。逆に新型コロナに罹った人で、特に男性の場合に精子の数が減ったり運動能力が低下したりする事例は報告されています。ワクチンではなく新型コロナにかかることの方が不妊に繋がる恐れがあるのです。