
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染急拡大を受け、対象外となっていた5~11歳の子どもに対するワクチン接種が、3月にも開始する見通しだ。AERA dot.編集部では、5~11歳の子どもがいる保護者を対象にアンケートを実施。ワクチン接種が始まる前に専門医に聞いてみたいことを募り、寄せられた疑問や不安について日本ワクチン学会推薦理事で、長崎大学大学院の森内浩幸教授に話を聞いた。
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アンケートは1月18日~25日正午までにインターネット上で実施。5~11歳の子どもを持つ保護者を対象とし、計177回答を得た。回答者の内訳は、女性86%、男性14%だった。
はじめに、自分の子どもに「ワクチンを接種させようと思うか」を問い、選択肢として、「接種させようと思う」、「接種させないと思う」、「わからない」の中から1つ選んでもらい、その理由を聞いた。主な理由について、それぞれ下記のような声があった。
■「接種させようと思う」と答えた人の理由
「感染後の後遺症が怖いから」(10歳女子と7歳男児の母)
「幼稚園でも感染が拡大しつつあるため」(6歳男児の父)
「重症化と後遺症を予防したい。感染は免れないとしても、免疫は持たせたい」(8歳女児の母)
「親自身が医療従事者であり、外出は買い物以外せず、数えきれないほどの制約によって子どもにたくさん我慢をさせてきた。コロナに罹った時に、少しでも辛い思いをさせないため」(6歳女児の母)
今回のアンケートでは「接種させないと思う」という回答も目立った。その理由に多いのは「重症化しにくい」「副反応が怖い」というものだ。
■「接種させないと思う」と答えた人の理由
「現在主流のオミクロン株に対する有効性が不明だから」(10歳女児の母)
「大人は重症化リスクを避けるためという意味合いで接種したが、子どもは重症化しにくいとわれているため。またワクチンの安全性がわからないので怖い」(6歳男児の母)
「持病持ちで不安ならば接種させた方がいいかもしれないけれど、長期的な目で見た副反応がわからないため」(8歳女児の母)
「子どもの後遺症や重症化も怖いですが、コロナで亡くなった事例は少ないのに、ワクチン後に心筋炎等の副作用で亡くなった報告やワクチンの副反応で悩む人が少なくないから」(10歳男児の母)
接種対象となる5~11歳は700万~800万人で、早ければ3月にもファイザー製ワクチンの接種が始まる見通しだが、接種させるかどうか決めかねている保護者も少なくないようだ。