
「3千万人いる日本のシニアの数パーセントがこの事業に参加してくれたら、何百万社の中小企業が元気になります。また、この方式はアジア諸国でも通用すると考えており、海外展開も検討中です」
保田さんもリタイアなどこれっぽっちも念頭にない様子で、「生涯現役」の構えだ。
人の役に立ちたいという動機づけで、「元気な高齢者へ向けた仕事づくり」の分野で気を吐くシニアたち。ここで紹介した2 人は、“リエゾン”シニアとして定年後研究所の池口武志所長の本『定年NEXT』に登場した人たちだ。その池口所長が言う。
「すべてが社会背景全体を見渡したものばかりではないと思いますが、結果的に今の社会課題の解決に彼らは大きく貢献していることになります。ほかの社会課題についても、同様にシニアの力を生かせる可能性が大いにありますね」
さまざまな動機から「人の役に立ちたい」を考えるシニアたちが増えれば、なおさら可能性は広がる。「第二の人生は社会貢献」。中高年たちがこぞってこう言い始める時代がやってくるのかもしれない。(本誌・首藤由之)
※週刊朝日 2022年8月12日号より抜粋