小学生時代は、近所にバイオリンの教室がなかったので隣の福岡県までバスで通っていたのですが、なんとなく見つけたポッドキャストの落語をiPod miniに入れて、移動中に聞いていたんです。耳しか使わないので乗り物酔いもありませんし、ひとネタ30分ほどと、ちょうどいいエンタメでした。中でも「金明竹」という演目に出てくる長台詞を暗唱するのにすごくハマって、いつも真似していましたね。落語で知ったユーモアの利かせ方や“力の抜け感”みたいなものは、いまのバイオリンの演奏に生きているなと思います。
(構成/中村さやか)