前出の浦上教授は言う。
「今までの市区町村単位での運営が難しいなら、別のやり方を考える必要がある。香川県や岩手県のように、事業の広域化や『官民連携』は選択肢の一つ。広域化は自治体間の料金体系や行政サービスの統一化が壁となるケースが多いようですが、この先、自治体間の格差がもっと開くとすれば、実行するのはさらに難しくなる。19年に施行された改正水道法で推進役としての役割が明記された都道府県がリーダーシップを発揮し、持続可能な運営方法を真剣に考えるべきです」
いつの時代、どんな社会でも、安全で安心な水が必要な点は変わらない。問題を先送りせず、早く手を打つべきだ。(本誌・池田正史)
※週刊朝日 2022年2月11日号