北京五輪男子SPで演技をする鍵山優真
北京五輪男子SPで演技をする鍵山優真
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 2月8日に行われた北京五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)は競技前夜、メダル候補の一角であった米国のヴィンセント・ジョウが棄権を発表した。団体戦でフリープログラムを滑った後に、検査でCOVID-19の陽性反応が出たためだ。練習の虫として知られる宇野昌磨ですら舌を巻くほどの鍛錬で、昨年の不調から這い上がってきたジョウ。祖父母が暮らす北京での表彰台を狙っていたが、無念の結果となった。

 20か国29人で行われたSPは、世界選手権3連覇中のネイサン・チェンが、現行最高難度の4回転ルッツ─3回転トゥループの連続ジャンプを後半に決めるなどし、世界最高の113.97点でトップに。団体戦SPの好演技で日本チームに勢いをつけた宇野昌磨も、自己最高を更新する105.90をマークして3位に入った。

 堂々2位を掴んだのは、今大会が五輪デビューの鍵山優真。昨年の世界選手権でマークした自己最高点を7.16点更新し、108.12点でメダルを射程圏内に捉えた。

 幼少期から逸材が脚光を浴びることの多いフィギュアスケートだが、鍵山が注目され始めたのは、そう早い時期ではない。全日本ジュニア選手権ではラストシーズンで優勝するまで一度も表彰台に上がることはなく、中学生時代から四回転を跳んでいた佐藤駿・三浦佳生らほど目立つ存在では無かった。

 そんな鍵山への周囲のまなざしが一変したのは、2018─19シーズンのこと。18年末の全日本選手権で6位に入り新人賞を受賞すると、シーズン最後の試合で初めて4回転トゥループを成功させた。翌年は、高校1年生にして全日本選手権の表彰台に上がる(本田武史以来24年ぶり)。ローザンヌのユースオリンピックで金メダルを獲得し、世界ジュニア選手権でもミスがありながら2位。咋シーズンにシニアに上がってからは、コロナ禍にありながらもグランプリシリーズでシーズンをまたぎ3連勝と、破竹の勢いで五輪代表の座を手に入れた。

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徹底して基礎を教え込んだ父