北京五輪・男子フィギュアスケートに出場した羽生結弦の3連覇への挑戦が終わった。
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結果的には、4回転半に挑戦したものの4位となったが、開催地・中国のマスコミにもその一挙手一投足が取り上げられ、改めて羽生の注目度の高さを感じさせた。なぜ羽生はこれほどまでに多くの人を惹きつけることができるのだろうか。
五輪開幕前から羽生の動向ついては国内外から高い関心が寄せられていた。競技前の2月6日に現地入りした際には中国のマスコミが画像付きで記事を掲載。SNS上は競技開始を待ちきれない世界中のファンからの声で埋め尽くされた。
「国籍など関係なく海外にもファンがいるスーパースター。どんな選手でも少なからずアンチも存在しますが極端に少ない。現地の空港では日本人が乗ってきた便の到着口で『Yuzuru』の名前入りのボードなどが見られた。カメラなどを持っているマスコミ関係者には『ユヅルはいつ来るのか?』と質問攻めでした」(現地取材中のスポーツ紙記者)
国内のスポーツ選手の中でも羽生の人気は異質だ。出場試合のチケットは即ソールドアウト、テレビ中継も地上波では数字が取れるドル箱のコンテンツだ。北京でも8日のショートプログラムは昼間の放送だったのにも関わらず、関東地区で12.1%の世帯視聴率を記録している。グッズなどの関連商品も飛ぶように売れ、出版不況の中でも写真集は常に売上トップを争う人気ぶりだ。
「実力はもちろん喜怒哀楽が伝わるのが一番の魅力。映画や舞台なら感情を伝えるのは当たり前だがスポーツでは難しいこと。近年は選手のバックグラウンドを特集してスポーツを無理やりドラマ仕立てにする傾向がある。それとは違い、羽生は本人が競技へ打ち込むことで感情が滲み出る。意図的に作り込んだコンテンツではないので魅力がある」(在京テレビ局スポーツ担当)
羽生はこれまでのスケート人生で数々の名場面を生んできた。19歳で迎えた2014年のソチ五輪で金メダルを獲得すると、2018年の平昌では足の負傷がある中で見事連覇を達成した。その他にも2014-2015シーズンは度重なるアクシデントがありながらもグランプリファイナルを連覇。中国杯ではフリーの演技前練習で他選手と接触し頭部から出血があったがテーピングを巻いて出場し、何度も転倒しながら演技を続けたシーンも印象深い(結果的に中国杯では銀メダルを獲得)。