「カフ~ん」マスクをつけていると、「それ、なに?」と尋ねられる。「花粉症なんです」と会話を展開できるのもポイント(すももさん提供)
「カフ~ん」マスクをつけていると、「それ、なに?」と尋ねられる。「花粉症なんです」と会話を展開できるのもポイント(すももさん提供)

■マスクで飛沫後方に

 ここまでやるのには、昨年夏の苦い経験がある。細心の注意を払って生活していたが、1回目のワクチン接種直前にコロナ陽性が判明。妻も陽性がわかった。2人とも軽症だったが、回復後に味覚障害が半年ほど続いた。妻は味覚症状はなかったが、夫婦で食事を楽しめず、文字通り味気ない日々を過ごした。

「目や鼻をこすったりするとコロナ感染のリスクも高まると聞いたので、できるだけの対策をします」(男性)

NPO法人「花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会」理事長で、日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野の大久保公裕教授は、花粉症の早めの治療に加えて、特に押さえておくべきコロナ対策も踏まえた花粉症対策として次の点を挙げる。

 感染対策にもなる換気は、窓にカーテンや網戸をしたまま行うこと。花粉が室内に侵入するのを減らすことができる。花粉は部屋の隅にたまりやすいから、こまめに掃除する。

 また、マスクをしていると、くしゃみや鼻かみの飛沫は後方に飛ぶので、できれば後方に人がいないところですること。手にはウイルスが付着している可能性があるので、これまで以上に手洗いや消毒を徹底しよう。伊達メガネも有効だ。花粉やウイルスが直接目に入りにくくなり、かつ目を触りにくくなる。

 また、従来の花粉症対策として、帰宅時に髪や洋服を叩いて花粉を払うことが推奨されていたが、コロナ禍ではウイルスが飛び散る恐れもある。洋服には花粉やウイルス対策のスプレーをかけ、自分は風呂場に直行し、花粉を落とすことだという。

「3回目のワクチン接種も速やかに受けてほしい。花粉症の基本的な薬である抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイド薬、花粉症の市販薬は、ワクチン接種の前日、当日、翌日と継続して服用して問題ありません」

 気を引き締めて、花粉症シーズンに臨むべし。(ライター・羽根田真智)

AERA 2022年2月21日号より抜粋

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