「番長と呼ばれるようになったのは巨人FA移籍してから。メディアにつけられた形ですが、実際は巨人に行っても後輩を飲みに連れ回すことなんて一回もなかった。むしろ、後輩に迷惑を掛けたくないと思うタイプで誘わない。繊細で優しい人間なんです。西武では人懐っこい性格で先輩からかわいがられていましたよ。純粋すぎて人をすぐに信用してしまうところはあったけど、野球に関しては誰よりもストイックでした」

 清原氏には野球が似合う。2016年に覚せい剤取締法違反罪で懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。再び信頼を取り戻すため、野球に恩返しをするために一歩一歩前に進んでいる。20年6月15日に執行猶予が終了し、半年後の同年12月にYouTubeを開設。ヤクルト、巨人、DeNAでプレーし、DeNAで監督を務めたアレックス・ラミレス氏と「4番打者」対談をしたり、元ソフトバンクのエース・斉藤和巳氏と野球談議を交わすなど濃い内容のコンテンツが人気を呼び、チャンネル登録者数は50万人を突破。球界だけでなく、お笑い芸人でYouTuberのカジサックともコラボ動画で交流し、表情も柔らかくなっているように感じる。

 清原氏は今月23日に更新したYouTube動画で、「あの事件が起きてから球場の出入りはどの球団からも断られていた。立浪監督のおかげです。立浪監督は苦しい時期に名古屋に食事に来てくれたり、2年前に沖縄の野球教室に誘ってくれたり、見えないところでバックアップしてくれていた。感慨深いですね」と立浪監督、片岡2軍監督、中日球団への感謝を口にした。

 まだ道半ば。今後も自分にできる形で球界に恩返しを続けていく。(安西憲春)

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