ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、猫のももちゃんとぶーちゃんです。
【写真】こんな姿見たことない! 枯れ葉をやさしく抱えて立ち上がる猫
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黒猫もも(雌、6歳)は、私の職場で用務員さんに拾われた。
生後1カ月半くらい。弱り切って動けない、排泄物まみれの子猫を連れ帰り、体を洗うと黒い水にノミがいっぱい浮いた。
動物病院の健診を経てほどなく、1年前からいる先住猫のぶーと対面させることができた。
先住猫の白猫ぶー(雄、8歳)は、保護団体から譲り受けた。日中留守にするからと、子猫ではなく成猫を、と前もってお願いしてあった。
譲渡会に行くと、ケージに入った猫たちとは別に、外を動き回っている猫がいる。真っ白で美しい。保護団体の方は「この子をあなたに引き合わせようと思って」。自由にさせてもらえるほど信用されている猫さんを譲ってもらえるなんて。私に異存があるはずがない。二つ返事で譲り受けた。
ぶーは雄猫だが、ももを喜んで受け入れ、つきっきりで面倒を見た。まるで母親のように。
もももぶーのあとを追い、二匹はいつも一緒で毛づくろいをし合い、くっついて寝た。ももがすくすく育ったのは、全くぶーの献身的な子育てのおかげである。
実はぶーがわが家にやって来る3カ月前に、19年生きた猫を亡くした。腎不全だった。今にして思えばと、後悔することがいっぱいある。
今度こそ健康観察や環境整備には精いっぱい気を配りたくて、ごはんを食べた、トイレをしたと、猫たちが何をしても褒めて喜ぶ私に、娘は「私が小さかった時もそうだったの?」と聞く。
子育てを振り返ると、頭で考えてばかりだった気がする。「あなたといると楽しい、幸せ」と小さかった娘に言ってやればよかったと、これまた後悔している。(愛知県豊橋市/59歳/会社員)
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※週刊朝日 2022年3月4日号