これまでAERAdot.が報じた通り、宿泊療養者らの証言からアパホテルの食事は「粗末で中抜きがひどい」と指摘されていた。しかし、部屋の清掃やゴミ処理などについても「問題がある」という。
「ごみは速やかに回収されず、床や壁際には結構、ごみや髪の毛が落ちていました」(アパホテルで宿泊療養したAさん)
アパホテルの対応に対し、食事のひどさなどで厚生労働省、総務省、大阪府に改善を要求する要望もあったという。
大阪市内のアパホテルで1月まで清掃の仕事をしたBさんはこう明かす。
「弁当は毎日100~200食近くが廃棄されており、ゴミは1日2回、ペール缶と呼ばれる白いゴミ箱に突っ込んでいた。それをゴミ回収業者が定期的に取りに来ていました。清掃やゴミ処理は杜撰でした。ゴミ袋の数量計算もアバウトで正確な数字ではない時もありました」
宿泊療養ホテルは使用料の他、食事、清掃、警備などあらゆる経費が国庫で負担されている。なぜ、アパホテルはこうした問題が浮上してもなぜ、「優遇」されたのだろうか。
「日本維新の会とアパの仲が良いということは府職員みんな心得ているところです。宿泊療養ホテルの件も府からアパさんにお声がけしてやっているわけです。多少の問題があっても正直、気を遣います」(府職員)
日本維新の会の石井苗子参院議員が3月4日、わざわざ「#アパ」と付けて発信したTwitterには<本日、赤坂見附のアパホテル本社2階に事務所を開設しました>と記されてあった。石井議員はアパホテルが新潟や名古屋でオープンした時のテープカットに駆けつけたり、アパグループの元谷外志雄代表が塾長を務める「アパ日本再興財団・勝平塾」の講師を務めていた。
大阪府政策企画部危機管理災害対策課にアパホテルについて取材をすると、こう答えた。
「府のホームページで療養ホテルを公募した後、アパホテルに声をかけたことはあるが、特別な関係ではない。日本維新の会も何ら関係はない。昨年春まで府内の宿泊療養ホテルには1食500円でお願いしていたが、アパホテルのように高い額もあった。ゴミ処理費などもホテルによって金額が違うこともある」