巨人の中田翔
巨人の中田翔
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 V奪回を目指す巨人がオープン戦で苦しんでいる。6連敗中で迎えた13日の阪神戦で2―2の引き分け。白星はならず、オープン戦11試合で2勝7敗2分けと最下位に沈んでいる。

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 深刻な貧打が気がかりだ。オープン戦11試合で19得点。1試合の平均得点は2点以下でチーム打率.197に落ち込んでいる。2020、21年と2年連続「本塁打、打点」の2冠を獲得した不動の4番・岡本和真、昨季打撃不振に苦しんだ中田翔の活躍が目立つが、アピールしなければいけない若手が物足りない。リードオフマンとして期待された松原聖弥が実戦で結果を残せず、13日に2軍合流。吉川尚輝、若林晃弘も打率1割台と元気がない。

「オープン戦なので数字を過剰に意識する必要はないかもしれませんが、試合内容も良くない。一番の懸案材料は若手の生え抜きの野手たちが伸び悩んでいることです。松原、吉川はレギュラーを確立しなければいけない立場なのに殻を破り切れていない。1番が固定できず勢いづかないので、大量得点の気配がしない。経験がある選手が多いので心配ないと思いますが、気になるのはベンチ全体が重い雰囲気に映ることです。活気がなく、停滞しているように感じる。大失速したシーズン終盤の雰囲気がそのまま続いているような…」(スポーツ紙記者)

 リーグ3連覇を狙った昨季は主力に誤算が続いた。丸は開幕して間もなく新型コロナウイルスに感染したことが判明して戦線離脱すると、6月も打撃不振で再びファームに降格。故障以外の2軍落ちは9年ぶりだった。1軍復帰以降は打率2割台前半から3割近くまで上昇したが、勝負どころの8月以降に快音が止まり、打率.265、23本塁打、55打点と不本意な成績に終わった。DeNAからFAで加入した梶谷隆幸も度重なる故障で、61試合出場にとどまった。シーズン途中に日本ハムから電撃トレードで加入した中田翔も34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点と振るわず。9月以降は10勝25敗8分と大きく負け越し、優勝どころか3位でCS進出を死守するのが精一杯だった。

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