■オプジーボの承認で術後の薬物療法が標準に
従来、食道がんの術後は経過を見るのが標準的だったが、新たながんの薬物療法として注目されている免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボ(一般名ニボルマブ)が、21年12月に、食道がんでも保険適用となった。大阪大学病院の土岐祐一郎医師はいう。
「術前化学療法後に手術をした症例に、オプジーボによる術後の補助化学療法をおこなうことが、標準治療となりました」
今後、治療成績がさらに向上する可能性が期待できる。
■セカンドオピニオンで異なる判断が出る可能性もある
食道がん治療の病院を選ぶ際の注目点について、土岐医師は次のように指摘する。
「食道がんの治療は、進行度によってどの治療を優先すべきかが、比較的明確に分かれています。手術だけではなく、化学放射線療法と内視鏡治療の数も多ければ、治療法を適切に選択している『いい病院』と言えると思います」
手術数については、毎月複数例以上実施していると、チームのレベルが保たれていると考えられるとのこと。
「セカンドオピニオンを聞くことも大切です。CT画像を見てがんが取れるかどうか判断するのですが、この判断能力は、外科医の経験に大きく依存します。手術ができないと言われたとしても、セカンドオピニオンで異なる判断が出る可能性があります」(土岐医師)
日本食道学会の食道外科専門医の名簿や食道外科専門医認定施設リストも参考になる。
ランキングの一部は特設サイトで無料公開しているので参考にしてほしい。
「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/
【取材した医師】
大阪大学病院 消化器外科教授 土岐祐一郎 医師
国立がん研究センター東病院 食道外科長 藤田武郎 医師
(文/伊波達也)