基本的にはお笑い担当でした。あとは、大道具や小道具を制作する裏方もやっていました。入ってから知ったんですけど、その劇団、ミュージカル劇団だったんですよ! 私は音感を“おふくろの腹の中”に忘れてきてしまった人間なのに、全然知らずに入ってしまった(笑)。なので、ほとんど歌うことはなかったです。
皆が笑ってくれるような面白い舞台をやりたかったので、お笑い担当は性に合っていました。真弓さんと2人でコントをやったこともありますよ。
――アニメの声優として、タッチにもご出演されていたそうですね。
座長がたっちゃん(上杉達也)役の三ツ矢雄二さんだった縁で、たっちゃんと同じ野球部員の役で、準レギュラーのような形で1年間だけ出演させていただいたんです。タッチの映画にも3本出させていただきました。ちょっとした役だったんですけどね。
――その後どういった縁でわくわくさんになったのでしょうか。
きっかけは田中真弓さんです。真弓さんはとっても親切にしてくださって、本当にお世話になりました。真弓さんは古くからNHKの番組に出演していましたが、平成元年にたまたま真弓さんのもとに「ノッポさんの番組が終わることになった。新たな工作番組の出演者を探していて、誰か知りませんか」というお話が舞い込んできて。
それで真弓さんが、「うちの劇団で大道具や小道具を作っていて、ちょっとしゃべらせると面白いやつがいるから、オーディションだけでも受けさせてやってください」と言って、私を推薦してくださったんですよ。受かるはずがないと思って受けてみたら、受かっちゃったんです。あとから聞いた話ですが、その時のオーディションの応募者は私一人だけだったようです(笑)。
教師になるはずが役者になって、わくわくさんになっちゃいました。最初はNGの連発で苦労しましたが、「しゃべり」という点では、声優や役者の経験が役に立っていると思います。
――今年で還暦を迎えましたが、ずっと変わらないままの姿を保っているのがすごいです。