私とヒダ先生は提携を結んでいて、番組が終わった後も使用許可をいただいています。20年以上続いた番組の中でいただいたストックがたくさんあるので、その中からチョイスをして、さらに自分なりの工夫を加えてご紹介しています。
――NHKの番組終了後も、「わくわくさん」の名前を使い続けて活動されています。様々な制約のあるNHKにおいて、こうしたケースは珍しいのでは。
「わくわくさん」は本来、番組の役名ですので、厳密にいえばNHKのキャラクターという扱いですが、ありがたいことにNHKから使用承諾をいただけたんです。そのあたりはしっかりと話し合いをさせていただきました。
そうした経緯もあるので、私の中で、わくわくさんのイメージを守りながら活動することは常に意識しています。この姿で民放のバラエティー番組でワイワイしていたら、わくわくさんのイメージからそれてしまいますからね……。工作を目的とした出演以外は控えるようにしています。
――久保田さんは今でこそ「わくわくさん」のイメージですが、20代の頃は役者・声優だったという経歴をお持ちです。もともと役者を目指していたのでしょうか。
いや、本当は社会科の先生を目指しておりました。大学での専攻は、「日本中世仏教史」。教員免許も取得して教師になるはずだったんです。それなのに、大学4年の時になんとなく立ち読みした雑誌で「劇団の1期生募集」の告知を見つけて、ふらふらっと応募して、役者になっちゃった。立ち読みで人生変わっちゃうことがあるんですよ。
親は教師や学者になることを望んでいたので、役者には大反対。家を出てけと言われましたね……。父親は最後まで認めてくれませんでしたが、途中からあきらめていたんじゃないかな。
――入った劇団「プロジェクト・レヴュー」は、座長が声優で「タッチ」の上杉達也役の三ツ矢雄二さん、副座長が「ONE PIECE」ルフィ役の田中真弓さんと豪華ですね。劇団ではどんな役を?