
今年の冬も寒かった。よこはま動物園ズーラシアと横浜市立金沢動物園を訪れると、思い思いのやり方で厳しい寒さと向きあう、生きものたちの雄姿があった。
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◆よこはま動物園ズーラシア
・キリン
本来アフリカで暮らしているため、寒さは少し苦手。鼻から白い息を吐きながらも、日光浴のために獣舎を出て運動場に散歩に出かけていた。夜は、寒さ対策のために厚めに敷いてもらったふかふかの床材(おが粉)の上で休む。
・ホッキョクグマ

冬毛をまとい、体内に分厚い脂肪を蓄えているため、寒さはへっちゃら。真冬のプールにもまるでお風呂のようにザブンとつかり、気持ちよさそう。岩に上半身をのせ、おしりと足を水中でぷかぷか漂わせるポーズは、浅瀬でぼーっとするときのお決まりの体勢。
・ミーアキャット

ヒーターのついた小屋でおしくらまんじゅうをして暖をとる。ゆらゆらと舟をこいで、台から落ちそうになる個体もちらほら。小屋の外では、他の仲間たちが周囲を見渡しながら密集して直立。カラスやヘリコプターを警戒して、交代で空を見張る様子が見受けられる。
・アカカンガル―

晴れた日は、地面にひっくり返ってくつろぐ日向ぼっこ姿が見られる。危険が迫ると、最初に気づいた仲間が足を踏み鳴らしてバンと警戒音を出すため、みなどんな体勢でも跳び起きて逃げるという。
・チンパンジー

寒い日は、肩や足を抱えて体を縮めたり、ぶるっと震えたり、親子で抱き合って暖をとったり。夜は寝床のハンモックに稲わらや木の葉を敷く、フリース生地にくるまる、など自分たちで工夫している。温かいハチミツジュースやショウガの力も借りて、冬を乗り切る。
◆横浜市立金沢動物園
・ヒツジ

16歳の高齢ヒツジ、ポポ。若いヒツジたちはモコモコの毛に覆われ丸々としているが、加齢に伴い毛の伸びが悪くなったポポは、体に毛布を巻いて過ごしている。冬は夕方になると飼育員に温かいマットの上に寝かせてもらう。