3月17日、皇居・御所で行われた愛子さまの会見冒頭は、前夜に東北地方を襲った最大震度6強の地震の犠牲者、被災者へのお見舞いの言葉で始まった。
淡いグリーンのツーピースをまとった愛子さまは、約30分間の会見の間、原稿に目を落とすことなく、記者からの様々な質問に答えた。
成年皇族となった感想については、こう語った。
「誕生日当日は成年を迎えたという実感がまだあまり湧いておりませんでしたが、12月5日の成年行事の折に天皇陛下より勲章親授をしていただきまして、初めて身につけたときにその重みをひしひしと感じて身の引き締まる思いがいたしました」
「新年には成年皇族として初めて新年祝賀の儀に出席しまして、また年末から年始にかけてはいくつかの宮中祭祀(さいし)にも参列いたしまして、初めてのことばかりで緊張もございましたし、これまで両親から話を聞くだけであった行事に自分が参加しているということには不思議な心持ちがいたしましたけれども、自分が成年皇族の一員であるという自覚が芽生え、個々の行事に責任をもって臨まなければならないと感じた瞬間でございました」
話の随所に盛り込んだユーモアも光った。自身の長所を聞かれると、
「どこでも寝られるところでしょうか。以前、栃木県にある那須の御用邸に行き、着いた晩に縁側にあるソファで寝てしまいそのまま翌朝を迎えたこともありました」
両親との思い出について語ったくだりでは、静岡県の須崎御用邸に滞在した際の出来事として、
「須崎の海はほとんど波のない穏やかな海でございますけれども、サーフボードを海に浮かべてそこに3人で座る挑戦をして見事に全員で落下した思い出など、お話しし始めると日が暮れてしまうかもしれません」
ここ数年、ぎすぎすした話題も多かった皇室の暗雲を払拭するかのような、ほほ笑ましいエピソード。思わず、自身の子や孫を見るような気持ちで目を細めた読者も多いのではないだろうか。