■DBSは特殊な手術。症例数の確認を
どの治療を選択するかは、症状や全身状態、患者の希望による。しかしランキングデータからわかるとおり、こうした治療はどの病院でも受けられるわけではない。
パーキンソン病は脳神経内科が中心となって診るが、DBSは脳神経外科、デュオドーパは消化器科との連携が必要になる。北野病院脳神経外科の戸田弘紀医師はこう話す。
「DBSは定位脳手術という手術方法の一種で、ほかの病気でもおこなう方法ですが、電極をどのように挿入してどこに留置するかなど、DBS特有の手術になるので、経験は必要です」
パーキンソン病は、薬物療法も進化しており、薬の選択肢が増え、複雑になっている。また、症状の進行に合わせて治療を変えていく必要もある。
「パーキンソン病を専門的に診ている医師ほど、患者さんの状態をよくできる可能性があると思います。近くにそうした医師がいなくても、診断がついたとき、薬が効かないとき、手術を検討するとき、治療に不安を感じるときなどのタイミングで、一度はパーキンソン病を専門的に診ている医師にセカンドオピニオンを聞いてほしいと思います」(大山医師)
パーキンソン病は学会などが設ける専門医制度がない。このため専門にしているかどうかは、ランキングの総患者数などが目安になるだろう。
ランキングの一部は特設サイトで無料公開しているので参考にしてほしい。
「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/
【取材した医師】
北野病院 脳神経外科主任部長 戸田弘紀 医師
順天堂大学順天堂医院 脳神経内科准教授 大山彦光 医師
(文/中寺暁子)