コンビ結成57年目のお笑いコンビ、おぼん・こぼんが初の自叙伝「東京漫才」(飛鳥新社)を出版した。著書はお笑いの神髄を究めようとする2人の下積み時代や、大物芸人との交流秘話などがつづられた半生記だ。著書の中で、こぼん(73)は3年前に主治医から「余命5年から10年」と余命宣告を受けていたと告白。一方、おぼん(73)はバブル時代にゴルフ会員権購入で大損をして約6000万円の借金を抱えるなど、波乱万丈なエピソードが満載だ。どんな気持ちで57年の芸人人生を歩んできたのか。おぼん・こぼんの2人にインタビューした。
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こぼんが大学病院の医師から「アミロイドーシス」という病名を告げられたのは、約3年前。70歳のときだった。
発症率はおよそ100万人あたり数人という珍しい病気だ。アミロイドというタンパク質が心臓などの臓器に蓄積、沈着して正常な働きを阻害する病気で、国の難病にも指定されている。
こぼんが宣告当時をこう振り返る。
「ビックリはしましたけど、よく考えたらもうけっこうな歳まで生きているし、まあ普通に考えて人生80歳まで生きられたらいいでしょう(笑)。大したことじゃないですよ」(同)
現在、生活や仕事に支障も、自覚症状もないというが、大好きなお酒は控え気味になったと笑う。
「若い頃は毎日のように、午前4時くらいまで飲み歩いていました。帰宅して2時間くらい仮眠し、移動中に寝ればいいという感じで地方へも行っていた。でも、もうそんなことはできません。今は食事して、ビール1杯と焼酎2杯飲んだら寝ちゃいます」(同)
一方で、相方のおぼんも過去に大きな金銭トラブルに見舞われていた。著書によると、バブル時代にゴルフ会員権を購入して6000万円もの借金を背負ったことがあるという。その経緯をこう明かした。
「もともと僕はゴルフが好きなんですが、ある日、友達から『ここのゴルフ場はきっといいものになるよ』と勧められ、ゴルフ会員権を買うことに決めたんです。その時はまだゴルフ場は出来上がっておらず、これから造るという説明でした。当時はゴルフ場の完成前に会員権購入の権利を売買するのは普通だったので、何も疑問に思いませんでした」