イラスト/ウノ・カマキリ
イラスト/ウノ・カマキリ

「ウクライナから避難した人たちが故郷に戻れるようにしなければならない。日本の皆さんにも住み慣れた故郷に戻りたいという気持ちがわかると思う」

「予防的に全世界が安全を保障するために動けるツール、本当に侵略を止められるようなツールが必要だ。日本のリーダーシップが大きな役割を果たせると思う」

「ロシアにさらなる圧力をかけることによって、平和を取り戻すことができる。国際機関の改革を行うことができる。将来、反戦連立ができあがったとき、日本がウクライナと一緒にいることを期待している」と。

 改めて、ゼレンスキー氏の演説は極めて説得力があった。国民のほとんどが、ゼレンスキー氏に心から同調したいと感じたはずだ。

 だが、残念ながら、そのことで今回の戦争は終わらない。私は、戦争を終わらせるにはバイデン米大統領がモスクワに飛び、プーチン氏に、ロシアを壊滅させる決意と自信があることを提示する必要があると捉えている。

 多少国際社会の反発を受けても、プーチン氏がぎりぎり認められる条件を具体的に示すべきであり、それができるのはバイデン氏しかいない。それができないようでは大統領としての資格がない。

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

週刊朝日  2022年4月8日号

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