ジャーナリストの田原総一朗氏は、戦争を終わらせるためにはバイデン米大統領による交渉が必要だと指摘する。
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ウクライナのゼレンスキー大統領が3月23日に、現地と日本の国会をリアルタイムでつなぐ「オンライン形式」で演説した。
岸田文雄首相や林芳正外相、岸信夫防衛相ら、閣僚や多くの国会議員が、国会内の大規模会議室で、同時通訳で演説を聞いた。
私は、NHKで演説を聞いたのだが、耳が遠いせいもあってか、女性の同時通訳の言葉を聞き取るのに非常に苦労した。それでも、ゼレンスキー氏の演説には、極めて説得力があったと思う。
ゼレンスキー氏は、オンライン形式の演説を英国、カナダ、米国、ドイツ、イタリアなどでも行っている。どの国の場合でも、具体的に、国民の多くが知っているその国の事例を語った。
英国での演説では、「どれだけ犠牲を払っても我々は戦い、領土を守る」と訴えたが、これはチャーチル英元首相が第2次世界大戦中に「どれだけ犠牲を払っても我々の島を守る」と語ったのを意識しているのである。
米連邦議会では、真珠湾攻撃や米同時多発テロを思い出すように促し、「私たちの国は同じことを毎日経験している」と述べた。
ドイツでは、冷戦時代に東西ドイツを分断した象徴の「ベルリンの壁」を持ち出し、欧州とウクライナを隔てる新たな壁が現れたとして、ショルツ独首相に「この壁を壊して」と呼びかけた。
そして日本ではまず、日本の歴史と伝統の素晴らしさを強調し、「日本がアジアの国々で最初にロシアに圧力をかけ始め、ウクライナに多くの支援をしてくださった、非常に感謝している」と丁寧な語調で述べた。
そして、「ウクライナに対する侵略の津波を止めるためにロシアとの貿易禁止を導入し、各企業がロシアから撤退しなければならない。そうした対ロシアの経済制裁のさらなる強化をお願いしたい」と話すと、本当に心の底からこみ上げてくるような口調で強く訴えた。