撮影:横島清二
撮影:横島清二
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 子どものころからずっとバイクが好きだったという横島さん。

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「高校時代は専門誌を毎月立ち読みするのが楽しみだった」と、振り返る。

 やがて、写真を撮るようになると、愛読していたバイク雑誌から撮影を依頼されるようになった。

「バイク乗りの人のインタビューカットを撮影したり、バイクショップに行って商品を撮ったり」

 ところが、しばらくすると、仕事でバイクを撮ることから遠ざかり、造園業をなりわいとしながら、写真は作家活動に専念するようになる。

 理由をたずねると、「違和感あった。しっくりこなくなってしまった」と、口にする。

■撮りたくないものを「それっぽく撮ってよ」

「最初は楽しかったんです。好きなバイクで写真の仕事をするようになったわけですから。でも、雑誌の編集者が選んだ写真は、自分が手応えを感じた写真ではなかった」と漏らす。まあ、よく耳にする話ではある。

 横島さんが特に好きだったのは、「バイクの旅を並走しながら撮る写真」。

「バイクでいっしょに旅をしているわけですから、バイクがビシッと止まり、背景が流れている、そんなお手本のような写真ではなくて、多少、ボケたり、ブレていたほうが臨場感があって、いいと思うんです。でも、雑誌では受け入れられなかった」

 編集者からは、撮りたくないものを「なんか、それっぽく撮ってよ」と指示された。

「引き受けた仕事だから、そのとおりに撮らなきゃ――そう思いながら撮るのがすごくストレスだった。実は、雑誌に掲載する写真は撮っておいて、別に自分が好きなのも勝手に撮っていたんです。それを撮りためて、見ていくうちに、これを作品にまとめたい、と思うようになった」

 その作品は、バイク雑誌で見かける写真とはかなり異なり、旅情がにじみ出ていると同時に、横島さんの生きざまが強く感じられた。ときおり移動する視点で写したロードムービーをコンセプトにした作品を目にするが、横島さんの作品ほどその感じが伝わってくる写真は珍しい。

撮影:横島清二
撮影:横島清二

■「何か、ばかみたいな自信があった」

 横島さんが乗っているのはハーレーダビッドソンの大型バイク。しかし、ふつう目にするキラキラしたハーレーとは違い、かなり武骨な感じがする。しかも、これほど年季の入ったハーレーは少ないのではないか。

「ハーレーを買うためにお金をためて、1999年、21歳のときに手に入れました。ハーレーを買ったら、アメリカを走りたいと思って、またお金をためた」

 その夢を実行に移したのは2003年。

「バイクを送ったカナダのバンクーバーから出発して、北はアラスカまで行きました。そこから南下して、南米大陸最南端のウシュアイアという街まで、1年くらいかけて旅をした。それが初めての海外旅行だったんですけれど、それがきっかけで、旅と写真が好きになった」

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しっかり撮ろうという意識はない