AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年4月4日号では、ひなたライフ代表取締役の江戸英雅さん、取締役の高橋昌代さん夫婦について取り上げました。
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夫28歳、妻21歳で結婚。長女(9)と長男(7)と4人暮らし。
【出会いは?】夫が会社員、妻が高校3年だった春、妻がバイトする飲食店で出会う。
【結婚までの道のりは?】妻が学生時代に夫がプロポーズ。卒業の1年後に結婚した。
【家事や家計の分担は?】買い出しや料理、洗濯、ゴミ出しは夫。妻は主に掃除や片づけをする。家計の管理は夫。財布は別々。
夫 江戸英雅[42]ひなたライフ 代表取締役
えど・ひでまさ◆1979年、千葉県旭市出身。旧・銚子市立銚子西高校を卒業後に俳優になり、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」の5代目タキシード仮面を演じる。地元に戻り、パソコン修理コールセンター、通販会社を経て、2017年にひなたライフを設立
うちの会社は妻がいないと始まらなかったですね。5年前、自然素材のインテリアを販売するECサイトを夫婦で立ち上げました。
私は通販業界にいたし、数字に強いですが、センスに不安があって。妻はフォトショップで加工するのが上手で、デザインのセンスがあると思っていました。サイトを立ち上げるとき、妻の「こういうふうにしたい」感性を私がエンジニアに伝えたら、おしゃれなものができました。妻の感性を信じようと思いました。でも、二人では手が足りません。あたりに知り合いもいません。妻と仲のいい幼稚園のママ友に加わってもらいました。
そうしたら、仕入れるときも、商品の説明を考えるときも、「これはいい」と思う感覚が妻とママ友で一緒でした。友だちだから、感性が同じなのです。ママ友たちが集まったから、ひなたライフの世界観ができました。リアルなママ友の感覚を生かせるとは思いませんでした。今ではスタッフの9割がママ友です。
妻 高橋昌代[35]ひなたライフ 取締役
たかはし・まさよ◆1986年、千葉県旭市出身。パリ総合美容専門学校千葉校でトータルビューティーを学んだ後、美容室で美容師アシスタントを務める。営業事務職を経て、2013年に楽天モールでアパレルショップ「ジゼル」を開店。17年にひなたライフを設立
家事分担の割合は、夫7:妻3です。以前は夫の帰りが遅かったので、私がご飯を作って、家のことはほとんどしていました。
それが、夫婦で起業してから、二人とも家でずっと仕事をするようになったので、私が家事をする余裕がなくなりました。これじゃ仕事も家庭も回りません。どちらかが手の空いたときに家事をするようになりました。
そうしてみたら、夫のほうが効率よく家事をするのが得意でした。私が1時間かかることを夫は45分くらいでこなしちゃうみたいで。夫が夕食を作るようになって、そのうち朝は洗濯物を干すようになりました。ルールを決めたわけではないけれど、限られた時間を有効に使うためには、お互いが得意な家事をするのが最適解だったような気がします。私はインテリア好きもあって、掃除系は得意なので、片づけを中心にしています。
私のほうが仕事をする時間は長くなりました。従来型の家庭の形が、起業してガラリと変わりました。
(構成/編集部・井上有紀子)
※AERA 2022年4月4日号