■人とのつながりが大切
――1994年にドラマ「毎度ゴメンなさぁい」で俳優デビューした反町。意外にもいまだに「役者という仕事が天職だとか、これしかない!などと思ったことがない」と話す。
反町:逆に言うと、だから、今も役者を続けているんだと思います。いつも悩みながらやっています。撮影現場はその時その時でスタッフも共演者も内容も違う。同じタイミングで同じことをやることはありません。そこの部分に魅かれて、僕は毎回撮影に入るごとに新鮮さを感じているのかもしれません。
――そんな反町が心がけていることは、「人とのつながり」だ。
反町:東京に住んでいると、なかなか人と深く関わることがありません。どちらかと言うと東京は仕事をする場所。僕は釣りやアウトドアをしていて地方に家があるのですが、そこで地元の方と話すことが多い。そうした人とのつながりを大切にすることで、生きていく感覚だったり、自然と触れ合うヒントだったりを自分で感じることができます。東京にいたら感じないようなこと、例えば、今日は空がきれいだなとか夕暮れがきれいだなとか。そんなことを感じる自分がいる。人とのつながりは自分の心を豊かにするものの一つです。
――40代後半になっても若い頃と同じようなスタイルを保っている反町に改めて驚かされた。聞けば、「『相棒』の撮影でスーツを着る機会が多かったため、スーツが似合うように、背中をしっかり鍛えるよう意識していました」と言う。ハーレーダビッドソンを颯爽と乗りこなし、背中で語る石沢課長にも間違いなくつながっている。
(フリーランス記者・坂口さゆり)
※AERA 2022年4月4日号