反町:スマートフォンやパソコンを簡単に扱える今どきの若者はすごいです。今はネット社会、情報社会。そこは僕たちの時代とは違いますね。当時は、何をやるにも目標に行き着くのに苦労していました。でも、遠回りしながらも自分で調べたり苦労したりして、だんだんと自分のモノになっていく。そういうことを重ねて、少しずつ早道の仕方を覚える。僕はそれで良かったと思っています。今はパッとパソコンやスマホの電源を入れてパッと調べれば、答えがパッと返ってくる。正解が簡単に出てくるところは明らかに僕らの時代とは違うところです。自分としてはあまり好きではないかな。今は生きていく時間軸が早くなってしまったなと感じます。

■自身の憧れの上司は?

――デジタルに弱い面を見せる石沢課長だが、反町にも意外な一面が。電話はガラケーとスマホの2台使いという。

反町:電話として使うのは全部ガラケーです。スマホは調べ物やメール用。決して使い分けているというわけではないんですよ。僕は釣りに行く機会が多いのですが、電波が入らないところもあります。ガラケーのほうが圧倒的に入る。それだけなんです。ガラケー(の3Gサービス)が間もなくなくなってしまうのは、非常に困りますね(笑)。僕はガラケーが壊れた時用に、古いガラケーを2、3個持っているんです。オークションで買うしかないんですけどね。

 スマホで調べ物はしますが、ネットサーフィンはほとんどしません。エゴサーチもSNSもしない。インスタグラムやフェイスブックにしてもみなさんやっていますが僕は何もしない。そこが僕のいいところなんですよ。なんて言って、明日からやってたりして(笑)。

――若い頃に理想の上司に出会えれば大きな財産になる。ドラマで“究極の上司”を演じる反町だが、自身にとっての憧れの上司は、「相棒」で共演してきた水谷豊さんだと言う。

反町:誰に対しても、人に対して態度をまったく変えない。僕は意外と顔色を見てしまうタイプなんですが、水谷さんは20代、30代の若いスタッフに対しても自分から近寄っていく。その姿勢がすごいなと思います。

「相棒」ではゲストの方がたくさん出てきます。20話分を撮っているとゲストの数は相当数になりますし、年代もバラバラです。それでも自分から話しかけている水谷さんの姿を見ると、人間として素晴らしいと思います。役者としてすごいというのは、それぞれの価値観があるもの。でも、役者としてすごいこと以上に、人間としての魅力がある方のほうが素晴らしいと思うんです。

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