ただし、インフルエンサーの影響力は大きいく、反響も多いのも事実です。いじめを告発した場合、加害者の氏名や住所を特定する視聴者や、学校に抗議の電話などをする視聴者も現れる可能性があります。いわゆる「私刑」と呼ばれるムーブメントで、炎上した場合に過剰に加害者のことを責め立てる行為も起こります。
実際にいじめをしていた場合ならともかく、フェイクニュースやデマを発端にインターネット上で祭り上げられたケースもあります。いじめの加害者が、被害者を加害者として通報するという新しいイジメの形もあります。これらの誤報を防ぐためには、インフルエンサー側は事実確認を慎重にする必要があります。相談を受けるだけではなく、動画にして告発発信する場合、本当に被害者なのか、どんな被害を受けているのかは確認すべきです。
今回の告発をきっかけに、自身や家族のイジメ問題をインフルエンサーに相談しようと思っている場合、可能な限り証拠を集めるべきです。会話を録音したり、メッセージをスクリーンショットしたり、怪我や壊されたモノも全て写真や動画に収めること、誰にいつどんなことをされたのか日記に記すことも証拠になります。未成年であれば、なるべく事前に大人に相談をすること。そしてメリットとデメリットをきちんと把握したうえで、行動するのが理想的です。こうした新たな告発手段が根本的な解決に役立つのかどうかは別として、インフルエンサーによる告発は、今後も増えていくでしょう。